溺愛なんて聞いてない!



「「「なっ、!!!!!」」」






これ以上赤くなることはないんじゃないかってくらい赤黒くなった彼らの叫びは、入ってきた先生の声で書き消されていった。
反論することも、する意欲すら奪った煌は飄々と席につき、彼らも又頭を垂れて席についた。

残された私はというと、頭のなかを整理することでいっぱいいっぱいだった。

思い出すのは昨日の台詞。
『…………はぁ。本当バカ』


【不正解】
『おばちゃんだなんて、そんな事あるはずないだろ。バカだな』

なんて甘やかされたわけでもなくて。

【正解】
『何分かりきったこと言ってんの、本当バカなんだね』


と、こうなるわけだ。
ちょっと待てーーーーーー!!!

昨日の胸キュン返してほしい。


しかしながらもあんな台詞。
小学生とは思えない台詞。
堂に入った言い回しは生まれたときから身に付くものなんだろうか。
あの無理矢理言いくるめるような上から目線のバカにした言い方。




……そう言えば雛ママの書いていた小説。

現代版ハーレクインのような御曹司やら医者やら弁護士のハイスペックなイケメン男子と女子力の低い女の子が恋に落ちる甘々な恋愛小説。

その雛ママの書いている小説のなかに頻繁に出てくる『俺様男子』だ!



『私イケメン産んじゃったわ!煌!煌!この台詞言ってみなさい!』


はぁはぁ鼻息荒く雛ママは煌に色んな台詞をレクチャーしていた。

あれだーーーーー!!!!

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