溺愛なんて聞いてない!
中学に上がると、一気に煌の人気が爆発したのだ。
急激に増えた生徒数。
入学したとたん、先生公認のファンクラブが出来たとかなんとか。
私は同級生から先輩方、学年が上がれば後輩から教師にまで。嫌がらせを受ける日々が始まった。
あんなにも煌自身から蔑まれた台詞を吐かれまくっているこんな相手を気にする必要なんてないはずなのに、煌の横には私とは180度違う綺麗な人だけが並んでいるはずなのに、それでも気に入らないらしい。
朝、電話で煌を起こして朝食を食べに来た煌に振る舞う。その間に煌と私の分のお弁当を完成させる。
煌の食事が終わる頃を見計らって私も用意を終わらせ一緒に家を出る。
途中から待ち伏せ部隊に阻まれてそろりと私はフェードアウトしていくのが朝の日課だ。
それから家まで私は煌には関わらない。
触らぬ神になんとやらだ。
煌への恋心より私は平穏を取った。