溺愛なんて聞いてない!

私の問い掛けに答えてくれる人はなく、私はお弁当を食べることしか出来なかった。



「そう言うことねー又無謀な事を……」
「っ、違ぇよ!」
「あらそう?」
「うっせ、」


「ねぇ、何がって」
ちょっと待って私にも教えてよ!


「あーぁ、昔の事もあながち間違いじゃなかったってことか」
「だから違えって!」


「だから何!?」


私を無視して進む会話が悲しくて、必死に仲間に入れてとアピール。

仲間はずれにしないで!


お昼休みという人の出入りの激しい時間帯。開けっぱなしの教室のドア。
風を通すため開いている窓。
至るところから聞こえる騒音と人の声。

騒がしい教室だったはずなのに、何故か静まり返った教室に気付けば私達の声しか聞こえてこなくて。


「違うなら、近づくなよ」


静かに告げられた低い声で周りの異変に気が付いた。


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