溺愛なんて聞いてない!
残されたクラスメイトの面々は私と煌との関係を口にした。
男子は、先輩のような美人に誘われて羨ましいやら勿体無いやら欲望を。
女子は、先輩のような美人で駄目なら煌の理想はどんだけ高いやら想像を。
私だけ“煌”と呼べること。
私だけ“手料理”を振る舞えること。
私だけ“部屋”へ行けること。
『幼馴染みなんでしょ?それ以上あるわけないし、ただの家族よね』
と、無かったことになっていった。
認めたく無かったんだと思う。
こんな私が“特別”だなんて。
そう思っていても、消せない存在の私。
煌に構って貰えない不満や、煌と繋がりに嫉妬する女の子達の鬱憤は地味で平凡な、彼女達にとっての弱者の私に溜まってくる。
あれ以来酷くなった周りからの当り。