溺愛なんて聞いてない!

私が口を挟む隙もなく「どうぞどうぞ」と笑顔で答える茉奈ちゃんに恨めしそうな視線を流したら怖いくらいの笑顔で返された。

本当に怖い。


そんな無言の攻防の隙に、今日も私が作ったお弁当を広げる煌。


「北王子さん、お弁当なんですね?噂の彼女ですか?」


なんで、ここで弁当を広げるんだー !!!!

思わず自分のお弁当を隠す。
今日は全く一緒だ。
バレるじゃないか!

ドキドキしている私の心情なんてこれっぽっちの理解しようとすらしてくれない煌は胡散臭い笑顔のまま茉奈ちゃんの問いかけを肯定する。


「昔から、彼女のご飯しか食べれなくて」


はにかむようなその笑顔と台詞に茉奈ちゃんの目の輝きが強さを増す。


「あれ?二ノ宮さんは食べないの?」

「は、はい。今日はもう大丈夫……です」


真横で食べれるか!

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