溺愛なんて聞いてない!


嫌がらせのように隣でお弁当を広げる煌。
お腹すいた……今日の玉子焼き、凄く上手に巻けたのに。
甘さも絶妙で、あぁ……食べたい。


食べ物の恨みはしつこいんだから!


「綺麗なお弁当ですねー彩りも鮮やかだし、その玉子焼きもお店で出てくるみたいですね。私、料理って出来なくて」


私をよそ目に煌との会話が弾む茉奈ちゃん。私はバレやしないかとハラハラしながらも茉奈ちゃんに褒められて悪い気はしない。
ふふん。


「そうだね、料理は昔からしてるから僕好みを熟知してるから旨いよ」


えぇ、えぇ。
そりゃぁ貴方の母親よりも私が作ってきましたからね。


「そういえば北王子さんのお家の玉子焼きは何味ですか?我が家は醤油なんです。どうも甘いのが苦手で」

「あ、僕もお醤油だよ?これ、食べてみる?」


はっ!?


「えぇ!?いやいやいや悪いです」

「いいよ?今日は他にもおかずがいっぱいあるし。醤油派って少ないよね?いやー嬉しいな一緒の人がいて」

「そうなんですよね?やっぱりお砂糖の人が多くて」

「うん、だからどうぞ?」


待て待て待て待てーーーーーーーい!!!!


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