俺、兄貴になりました④

緊急事態!

side 翠


それは休日の事でした。



ドターン!!



凄い音がして振り返れば、さっきまで机に向かって真剣に仕事をしていた翔にぃが床に倒れてた。



「え…」


「翔にぃ…?」




今日は珍しく兄弟全員が家にいる日で。


さっきまでお昼は外食するかー、なんて言っていたところだった。




「翔にぃっ!!」




急いで駆け寄って呼びかけるけど、翔にぃは苦しそうに息をするだけ。



「翔にぃ大丈夫!?」



翔にぃの周りを兄弟が囲んで心配そうに覗き込む。



「…熱い。熱がある」



恋にぃが額に手を当てると、そう呟いた。



熱!?


翔にぃが熱なんて…家族になって初めてのことで驚く。



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