俺、兄貴になりました④
「え、ちょ…待って…っ」
「翠にぃ、もう無理だよ。諦めて」
ぽんぽん、と陽に肩を叩かれながら、俺はがっくりと肩を落とすしかなかった。
やっぱりめちゃくちゃだ、ウチの兄弟…。
そのあと、病院に着いたのはいいんだけれど…。
「ねぇ、早く診てっ」
「翔にぃ大変なの!倒れちゃったの!」
病院に入るなり、末っ子2人が受付のお姉さんに向かって声をあげる。
ちょっ、何してんの!!
周りの患者さんが何事かと迷惑そうにこっちを見ているのに気づいて、慌てて末っ子の首根っこを掴んで受付から引き剥がす。
「すみませんっ、すみませんっ」
「大丈夫ですよ。診察券と保険証を出してお待ちくださいね」
もう一度謝ると、末っ子の首根っこを掴んだまま俺はみんなの元へ。
はぁ…。
…ん?
なんか騒がしいけど、まさか…。
「翔にぃ大丈夫!?しっかりね!」
「翔にぃ大丈夫!?しっかりね!」
「ちょっと雷にぃ!俺の真似しないでよっ」
「えー?似てなかった?慶のモノマネ」
「似てないよっ!そんなブリブリした声で言ってないよっ!」
あぁ…やっぱりウチの兄弟だったよ…。