俺、兄貴になりました④



洗濯物を洗ってベランダに干し終えて、家の中に入った時だった。



…?


なんか、焦げ臭いんだけど…。




まさかと思って一階に駆け下りると、臭いが更にきつくなった。



「ちょっと、今度は何してるの!?」



臭いの原因はキッチンからで、そこに立っていたのはサッカー馬鹿の双子。



…嫌な予感しかしないのは俺だけだろうか?




「「あ、翠」」


「何してるの?」


「「お粥作ってた」」



お粥!?


このマイペースすぎる双子のにぃ達がお粥!?



「ちょ、火加減大丈夫!?」


「大丈夫だよ」


「泡吹いてないから」




いやいやいや、泡吹いてないから大丈夫とは限らないよ!?




「焦げ臭いから早く止めて!!」


「「えーー」」


「えーー、じゃないよっ!…あー、ほら焦げてるじゃんっ」



お粥は焦げやすいんだから!なんて言っても無駄なのは分かってるから言わない。




「お米が勿体無い…焦げたとこは責任持ってにぃ達が食べてね」



「「えええぇぇぇぇ」」


「うるさいよっ、さっきから『えーー』しか言ってないよっ!他に言うことあるでしょ!」


「「ごめんなさい」」




全くもう…。


世話の焼けるにぃ達だよ。





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