俺、兄貴になりました④
「翠にぃ、スポーツドリンクとゼリー買って来た。これなら翔にぃ食べられるよね」
いつの間に買いに行っていたのだろうか。
コンビニの袋を持った陽がいて、みかんゼリーやぶどうゼリーを差し出す。
あぁ……。
唯一まともなのは陽だけだよ。
「うん、それなら大丈夫だね。翔にぃが起きてたら渡してあげて。今お粥も持って行くから」
「分かった」
陽は無愛想だけど、本当に優しい子だからなぁ。
大きくなったら女子にモテモテだろうね。
お粥に生姜と胡麻をトッピングして翔にぃの部屋に持っていく。
『『あはははははっ』』
二階の廊下に差し掛かった時、翔にぃの部屋からそんな笑い声が聞こえて来た。
またあの兄弟は…っ!
翔にぃ熱あるんだから静かにして欲しいのに!
「何やってんの、静かにしないとダメだ…ろ…?」
バンっと扉を開いた俺は、その衝撃の光景に目を見開いた。
「よ、陽ーー!?」
「あ、翠にぃお粥できたの?」
だって、あの陽が。
あの兄弟で唯一しっかりした陽が…!!
「そ、その顔のテープはなに!?」
セロハンテープを顔にベタベタと貼り付け、鼻は豚鼻になってるし、目は狐目になってるし、口はつり上がってるし!!