俺、兄貴になりました④
朝からそんな騒がしいやりとりをして学校へ向かう。
翠にぃと慶にぃと俺は年子だから、みんな同じ中学。
一緒に登校して昇降口につき自分の靴箱を開ける。
とたんに中から落ちてきたのは、おそらくチョコが入った大量の箱や包み袋。
1番上にある俺の靴箱のロッカー。
危うく頭や顔にぶつかるところだった。
危ない危ない。
くれるのは嬉しいけど、多すぎて処理に困る。
どうしようかと悩んでいると、翠にぃが大きな紙袋をくれたので、そこに突っ込んだ。
「あれ…翠にぃチョコは?」
見れば、翠にぃの手にはチョコが1つもない。
こんな爽やか王子の翠にぃにチョコが1つもないなんておかしい。
「あー…俺のは多分ファンクラブの幹部さん達?が管理してくれてると思う」
え、なにそれ。
ファンクラブの幹部?
そんなのいるの。
怖いんだけど。