俺、兄貴になりました④



「毎年、俺宛のチョコはその子達が管理してくれてるんだ。俺が困らないようにって。

靴箱に入れると俺が落ちてきた箱とかで怪我するかもしれないからって、入れないように呼びかけてくれてるんだ」



確かに、こんな綺麗な翠にぃの顔が傷ついたりしたらみんなショック受けるだろうしなぁ。


そして翠にぃのファンは、チョコだけでは飽きるだろうからと、チョコ系、チーズ系、クッキー系など

誰がなにをどのくらいの数で渡すのかを幹部さん達を中心に事前に決めてるんだとか。



優しい翠にぃには、優しいファンがいるみたいだ。



「だから俺は可愛くないんだってばーーっ!!」



翠にぃと話していると、向かい側の靴箱からそんな声が聞こえてきて、思わずびっくりした。


これ、絶対慶にぃだな。



なんだ、なんだと翠にぃと2人で慶にぃに近寄って見れば、あたりはチョコだらけ。


チョコ、俺よりめっちゃ貰えてんじゃん。

なにが不満なの?



なんて思っていたら



「これも、これもこれも!ほとんど年上からだしっ!俺ガキじゃないんだってばーっ」



なんてことを言うから、慶にぃのチョコを1つ手にとって見てみると、


【可愛い慶くんへ。お姉さんの手作りチョコだよ!美味しく食べてね❤︎】


なんていう手紙つきのチョコが大量にあった。



あー…うん、これは仕方ない。

慶にぃって、可愛がられキャラだから。




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