俺、兄貴になりました④



昔はよくこう言うことをあくまで無自覚にサラッと言ってたなぁ。


それでよく女子に泣かれて、あいつが俺を怒るんだ。



『翔ちゃん、メッ!本当の事だとしても、もっとオブラートに包まなきゃ』



そんな、女子をフォローしてんのかしてないのか分からないセリフで叱られた俺。


何が悪いのか分からなかったけど。


でも、あいつがそう言ったから。
それ以来なるべく言葉を選んで断るようにした。


で、こうして誰にでも優しい翔輝様が出来上がってしまったわけだ。


うんうん。



そのせいであいつと少しすれ違う時期があったのも、今となっては笑える良い思い出話だけど。


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