俺、兄貴になりました④
俺は高ぶった気持ちを抑えつつ、携帯を取り出して親父に電話をかけた。
『もしもし、翔輝か?』
「あぁ、俺」
そして俺は親父にさっきの出来事と、今後二度と彼女に関わる仕事はしないと告げた。
「ずっと我慢してたけど、もう限界。凛のことあんな風に言われて我慢の限界だ。
二度と顔も見たくない」
『お前がそこまで怒るなんて珍しいな。
……分かった、彼女の事務所には私から連絡しておこう。翔輝にも二度と近づかないように言っておく。
私も凛の事は娘のように思ってるからな』
「ありがとう。頼む」
通話を切って、短いため息をついた。