俺、兄貴になりました④
「キャー!!蒼くんだー!!」
「ウソ!?なんでここに!?ヤバイヤバイ!!」
「恋くん、こっち見てーっ!!」
お花見の公園に着いた途端、群がって来た女達。
…どうしよう。
ものすごく面倒くさい。
「恋、恋…どうする?追い払う?」
「でもファンに冷たくするとマネージャーとか兄貴がうるさいし」
あー、たしかに。
『大事なファンになんつー態度取ってんだコラァ』
なんていう声が聞こえてきそうだ。
「じゃあどうする?優しくどいてって言っても絶対聞いてくんないよ」
「んー…じゃあ」
そう言って、何か思いついたのであろう恋が、俺に耳打ちをする。
…へぇ。
「さすが恋。それでいくかー」
そして俺と恋は、女達に向かって営業スマイルを向ける。