俺、兄貴になりました④
「「ただいまー」」
男だらけな上に、有名人が揃ったうちの家族は目立つのであろう。
周りの目から逃れるように、少し人混みから離れた小さな丘の上で兄弟達はブルーシートを敷いてお花見をしていた。
「あ、おかえ、りー…!?」
「恋にぃ、蒼にぃおかえ……ぇえええええ!!?」
俺達が来たことに気づくなり、兄弟達は目を見開いて驚く。
?
なんでそんな驚いてんの?
「「なにその沢山いる女の人達!!」」
あ、そこか。
「おー、お前らお帰り…って、なんだこりゃ!?」
どこかに飲み物を買いに行って来たのであろう兄貴が、キャー!キャー!と騒ぐ女達を見てポカンとする。
「って、何してんだよお前ら。何連れて来てんだよ!?」
「だって、勝手について来るから」
「ついてくんなって言やいいだろ!」
「だって冷たく言うと兄貴怒るじゃん」
だから我慢して連れて来たのに。
ねぇ?
「お前らただ面倒なだけだろ」
「「あ、バレた」」
「バレたじゃねぇよっ、丁重にお引き取りをお願いしてこい!!」
ゴツンッ!!
「「あたっ」」
ひどいなー、もう。
なにもアイドルの頭をゲンコツで殴んなくてもよくない?