俺、兄貴になりました④
「んー、尚うるさい…。寝心地悪い」
尚の膝はお気に召さなかったようで、今度は慶の元へ。
「ぎゃー!!来ないで、来ないで!!」
それに気づいた慶が、兄貴の背に隠れる。
「なんだよ慶。膝枕くらいで」
「怖いんだよっ!!酔いが覚めたとき記憶があったら、俺翠にぃに殺されちゃうよっ!!」
たしかに。
普段、翠には逆らえない慶だから。
慶に膝枕されてた…なんて知ったら、翠は恥ずかしさと怒りで慶を殺しにかかりそう。
翠は慶を諦めたのか、今度はチラリと俺と恋の方を振り向いた。
お?
こっちに来るか?