俺、兄貴になりました④
「バカか」って頭叩かれたりするかなー。
なんて思っていたのに、一向にそんな気配がない。
それどころか、フワッと頭に大きくて暖かい温もりを感じた。
「お前らも普段からそうやって甘えればいいのに。全然甘えてこねぇから」
やっとか、なんて言って俺達の頭を撫でる。
あぁ…。
やっぱ、兄貴は兄貴だった。
俺達のこうした少しの変化にも気づいてくれる。
気持ちを分かってくれる。
それを茶化したり、いい歳して何してんだ、なんて馬鹿にしたりしない。
ちゃんと、受け止めてくれる。
「仕事、お疲れ様」
ぽんぽんと優しく叩かれた頭。
その優しさに、温もりに…どうしようもなく泣きたくなった。
涙がジワリとこみ上げる。
これはきっと、恋も同じ。