俺、兄貴になりました④
そのあと、起こされるまで本当に兄貴の膝で寝てしまった俺達。
「足痺れたじゃねぇか」
なんてケラケラ笑う兄貴。
でもその顔は何故かどことなく嬉しそうだった。
やっぱ兄貴はすごいなぁ。
…あ、しまった。
ご馳走食べ損ねた。
なんて思っていたら
「にぃ達のご飯、ちゃんと取ってあるよっ」
って、慶が言う。
「気持ちよさそうに寝てたもんね」
ニコニコと笑う慶に聞いてみた。
「……俺達が兄貴に甘えてて、変だとか、気持ち悪いとか思わなかったの?」
弟達からしたら、あんな大きくなっても甘えてるなんて変、とか思うものじゃないの?
でも返ってきた返事は、思っていたものとは違くて。
「どうして?変だなんてそんなこと、少しも思ってないよ。なんで変だと思うの」
なんて、逆に軽くキレられた。
え、なんで俺怒られてんの?
「にぃ達はもっと甘えていいと思う!翔にぃにだけじゃなくて、俺達にも甘えてよー!」
プンプンと怒る慶は、そう言って前を歩く兄貴の元へ駆けて行った。