俺、兄貴になりました④
何故キレられたのか分からずポカンとしていると、煌が俺の隣にやってきて。
「にぃ達は昔から俺らのことばっかり優先してたじゃん?」
「そうか?」
優先してたつもりはなかったんだけど。
あの頃は必死だったから。
「そうなの。だから、今ああやって兄貴に甘えられてるにぃ達を見ると、俺達弟はこう思うわけ。
……あぁ、やっと肩の力抜いてくれたんだなぁって」
え?
すると今度はどこからきたのか、雷が恋の隣で言う。
「にぃ達はいろんなもの背負ってきたから。弟とか、期待とか…自分達がちゃんとしないとっていうさ」
「俺達ずっと思ってたんだよ?そんなに抱え込まないでよって。
俺達弟にも、少しは頼ってよって。
2人が喧嘩しながら、必死に重圧に耐えてた姿見てたから」
お前ら…。
「俺達ね、にぃ達の重荷になってることとか、力になりたいのに頼ってもらえるほどの力がないこととか……
ずっと悔しい思いしてたわけ」
「だから慶は怒ったんだよ。やっと甘えられるようになったのに、なんで変だなんて事言うんだー!!ってね」
知らなかった。
弟達が、そんな事を思ってたなんて。