【短】もしもあなたが死んでしまうなら。



もし、もし、もし。



声にならない思いが、

「ぅう…っ、っ…うぁあぁあ…っ」


代わりに嗚咽となって、この世に吐き出される。


彼が緊張しながらも、プロポーズをしてくれ、

私がそれに、もちろんです。と言って、

その婚約指輪を左手の薬指にはめること。


いつの日か...なんて夢見ていたシーン。


ーーもう、叶うことは、ないんだ。



この時、本当の意味でもう彼がこの世にいないことを、実感した。




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