俺の王子様
自分のことなのに淡々と言葉を並べる小雪の姿は、儚げで泣くまいと我慢しているわけではない、天涯孤独になったが故、一人で立つことを決めて進もうとしているようである
この小さな背中を守ってあげなけば、こいつは一人でどこかへ行ってしまう
そんな予感が頭をよぎり、寒気がした
「一人で住んでいるのかい?」
「はい。町外れのアパートに」
「学校はどうしたんだい?」
「中退しました。スキップせずにいたので」
「これからどうするんだい?」
「・・・こっちで、就職先を探そうと思います。英語がしゃべれれば、重宝されるので」
もう、決定事項で誰にも揺るがすことが出来ない
そんな言い方だった