俺の王子様




自分のことなのに淡々と言葉を並べる小雪の姿は、儚げで泣くまいと我慢しているわけではない、天涯孤独になったが故、一人で立つことを決めて進もうとしているようである


この小さな背中を守ってあげなけば、こいつは一人でどこかへ行ってしまう

そんな予感が頭をよぎり、寒気がした



「一人で住んでいるのかい?」

「はい。町外れのアパートに」

「学校はどうしたんだい?」

「中退しました。スキップせずにいたので」



「これからどうするんだい?」


「・・・こっちで、就職先を探そうと思います。英語がしゃべれれば、重宝されるので」




もう、決定事項で誰にも揺るがすことが出来ない

そんな言い方だった



< 19 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop