俺の王子様
何も言わずにこれまで聞いていたお袋は
「ここに住みなさい。小雪ちゃん
私たちの養女として引き受けます。大学も入学して卒業資格も取りなさい」
「・・・沙緒里さん、ありがとうございます
ですが、両親の残してくれたお金で学校には通えるんです
でも、私自信が今さら通う気になれないんです。
お二人に会うのは、これで最後にさせて下さい。
甘えてしまって、一人で立てなくなる…」
その言葉を聞いて、勝手に体が動いて
次の瞬間には小雪を抱きしめていた
「小雪。勝手にひとりになろうとするな」
ガラス玉のように感情を写さなかった瞳から、涙が溢れてきた