彼女の一番になる方法。
明日も学校だし、また放課後は劇の準備だし、先生は他の男といちゃついているし、もやもや考えながら、今日の授業の予習をしていた。















「…くん、…すけくん」


ん~・・・・


「裕介くん?」


うお!

誰の声だよ

がばっと顔を上げる。


手元のスマホを見ると、10時10分

やべぇ、塾閉まるの10時じゃん。

「びっくりした、急に顔を上げるから」


くすくすと笑う柚子先生が後ろから言う。


「驚いたのはこっちだよ、先生何してるの」


「もう塾終わりだよ、だから掃除してるの。ちょっと前から裕介くんのこと起こしてるのに、まったく返事しないから。そんなに学校大変なの?」


「いや、そういうわけじゃないんだけど、色々考えてて」


鞄に参考書を入れながら返事をする。

そろそろ尊もバイトが終わっている時間か。


「考えごと?
進路とか?」


近くの机を拭いている先生はあまり俺に興味がないように見える。


それもそれで腹が立つ。

お前のことを考えていたんだよ。


「ねぇ、センセイ、今日自習室の前で一緒にいた男って誰?」


「オトコ、、、、?


あぁ、高橋先生よ。

新しくここのスタッフになったの。

今日からこの校舎に移動してきたから、案内してたの。」





「ふーん


それにしては物理的にも雰囲気的にも近くなかった?」



「物理的って(笑)

面白い表現をするね。

大学の先輩だったのよ。

ほら、裕介くんも準備できたら帰りなさい。

この近辺、居酒屋が多くて夜は危ないんだから」



ほら、子ども扱いする。

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