彼女の一番になる方法。
「センセ、こっち、まだ掃除がきれいじゃないところがある」


なにそれ、小姑みたいな言い方をするのね、と笑いながら俺の横にくるセンセイ。


別に、柚子先生を好きになった理由が、


幼いころ何かがあったから

とか

昔好きだった人に似ているから

とか

そんな運命的な理由じゃなくて


可愛いと思ったから。


授業の準備のサポートや生徒指導を一生懸命やる先生を


可愛いと思ったから


好きになったんだ。



「裕介大先生?どこが汚れていますでしょうか?」


笑いながら近くで話すセンセイ。


あの男にも同じ顔をしていた。

いや、もっと気を許した顔をしていた。

「まず、頭でしょ」

「は?」


あの男がさっき触っていた柚子先生の頭


俺が消毒してやる


ふわふわでやわらかい茶色の髪の毛を優しく触る


「ちょ、裕介くん?」


上目使いで俺の手を止めようとするセンセイの動作が反則なんだよ


頭に気持ちが集中していた瞬間に、もう片方の手をセンセイの背中に回し、


抱きしめる形でキスをした。



「ん!」



頭以外触られてねぇかな


てゆーか、センセイだって高校・大学・社会人って付き合ってた人いるよな

「んん、、、」

今は付き合ってる人いるのかな


「ん!」

ドン!と胸元を押される。


といっても俺が背中を抑えているから、唇が離れたくらいの距離


「はぁ、酸素足りなくなるかと思った」


涙目でいうセンセイ、かわいい。


「もう、本当夜遅いし、帰りなさい。私先に下降りてるから」


そういって掃除道具をまとめてエレベーターで降りていくセンセイ



なんで怒らないの

ちょっとは何か反応してよ

俺のこと、少しは意識しろよ
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