彼女の一番になる方法。
「掃除お疲れ、佐藤先生。ありがとう。
受付の閉め作業は全部終わったよ!」
「今日は早いですね!こちらこそありがとうございます!
桜木くん、帰りました?」
課長や高橋先生が裏の片付けをしている。
「桜木くん?
あぁ、緑丘高校のコ!
さっき走って帰っていったよ。
遅くまで勉強しててえらいよね」
そっか、帰ったのか。良かった。
「ところでさ、今日この後一時間一本勝負で飲みにいこうよ。
高橋先生の異動祝いしよ!
かちょー!お店、いつものところ念のため席が空いているか電話で確認しますねー!」
仕事が終わってものりか先輩は元気だ。
「佐藤先生も行くよね?」
「はい!ぜひ!
その前にお手洗いに行ってきますね」
「じゃぁ、外で待ってるね」
パタパタとトイレに向かう
個室のドアを閉め、
しゃがむ。
わあぁぁぁ
なに!キスされた!
しかも長い!
どうしたらいいの!
どう対応したら良いの???
え、どうしよう。思春期の男の子ってあんな感じなの?
どうしよううぅぅぅぅ。
数分、トイレでうなだれた後、私は気を取り戻してみんなの前に戻った。
「佐藤先生、少し長かったけど、体調大丈夫?」
課長が心配してくれた。
でもさっきあったことを報告できない。
もし報告したら、
保護者に連絡がいって
どういう教育をしてるんだって怒られて
仕事、減給か最悪クビ
いやだ!それだけは!
減給もクビも嫌!
「だだだ大丈夫ですよ」
多少ひきつった笑顔だったかもしれない。
けど、課長は納得してくれたらしい。