彼女の一番になる方法。


ウィーーン


塾の自動ドアが開く。


「あ!桜木くん、こんにちは!」

島田先生の元気な声が聞こえる。


「今日、授業ないんスけど、自習室空いてます?」


「うん、13番の席ならすぐ案内できるよ。
えらいね、授業がないのに自習に来て。」



「まあ」


きょろきょろあたりを見回す。

「?

誰か友達を探してる?」


「いや、えっと、ゆ、、佐藤先生っているかな、と思って」


「佐藤先生?今日は夕方から出社だから、多分もうそろそろ来ると思うけど」


行っているそばから、正面玄関の自動ドアが開いた。


俺を見て、一瞬固まるセンセイ。

もっと俺を意識しろよ。


「こんにちは、センセ」

俺史上最高にいい感じの声で先生に挨拶する。


「こんにちは、桜木くん。今日は自習かな?頑張ってね」


そういいながら、少し島田先生と話して、奥の控室に入った。



は?

何今の普通の反応。


もっと顔を赤らめるとか

怒るとか

泣くとか

反応があるだろ。


まさか

なかったことにされてるとか。


なんだよそれ。




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