彼女の一番になる方法。

朝8時起床


昨晩作った朝ごはんを食べて


ジョギングを1時間くらいしてから


出社



誰が見ているわけでないから



あまり外見にこだわっていない



これかなぁ、


もっとなんか可愛くすれば、彼氏ができるのかな





笑ってしまう、



大学デビューや高校デビューじゃないんだから



そんな急にどう変えるっていうのよ





ジョギングをしながらそんなことを考える




「あ!今日は30分早く出社するよう言われてたんだ」




慌てて家に戻り、準備をしてすぐに家を出る。




「10分前にはつけるかな、まだ新米のポジションなんだし、もうちょっと早めの方がいいかもだけど」




まだ履きなれないヒールをカツカツさせながら、駅に向かう。



「あれ、センセイ?」



先生と言われ思わず反応してしまう。



後ろを見てみると、




「あ!桜木くん!」



最近入塾した高校2年生の桜木 裕介くんがニコニコしながら立っていた。



「あれ、学校がこの近くだっけ?」


「そうなんですよ、今日は午前に集会行って終わりって感じで。

一回帰ってから、塾に行こうかなと」



「えらいなぁ、入塾してからほぼ毎来てくれてるよね」




「まぁ、」


にっこりしながら答える彼は確かにかっこいい。



スタッフの中でも人気だ。



高身長でサラサラの茶髪、こんなクラスメイトがいたら女子たちは黙っていないだろうなー。




同じ歩幅で歩いてくれる。



初めてこの道で会ったけど、そうか緑丘高校ってここら辺だったのか。



「センセってここら辺に住んでるんすか?」


きょろきょろ周りを見ている。



「生徒に教えちゃダメなんだけどねー。まぁ、大体ここら辺って感じかな」



「ふーん」



「桜木くんは、塾の近くなんだっけ、おうち」



「まあね、けど両親が今海外出張中で一人暮らし2か月目」



高校生で一人暮らしって。


「大人だねぇ」


私だって一人暮らしは社会人になってからなのに。



「センセイは一人暮らしなの?」



「そうね」



「夜とかたまに怖くね?

怖いテレビ見た後とか、

意味もなく後ろ向けない

みたいな」



「分かるわかる!
あれってなんでなんだろうね!
本こわとか見れないよね!」




桜木くんは人との距離を近くするのがうまい。



年下からは『かっこいい先輩』
同年代からは『ちょっと意地悪なクラスメイト』
年上からは『可愛くて目が離せない後輩』

ってポジションかしら。



「センセ?駅ついたよ」



「あ!ごめんなさい、いろいろ考えてた!」



色々~?と言いながら

ポカリを飲んでいる。


飲み方も様になっているな。



「桜木くんってモテるでしょ」



コホっとせき込んでから


「センセイがそんなことを気にかけてくれるなんて嬉しいな。


まぁその話はまた後で。



センセイ、この電車だろ、俺ちょっと寄ってくところがあるから」





といいながら彼は来た道を戻っていった。



なんで駅まで一緒に来てくれたんだろう。



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