1%もアルモノ
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「森下さん、ちょっと良いかな。」
隣のクラスの彼に呼出されたのは
昼休みだった。
―――屋上―――
「えっと…平良君…だっけ?どうしたの?」
私を呼出したのはアイドル、平良君。下の名前を望美というらしい。
で、キラキラオーラを全身から醸し出している彼は、フェンスに凭れかかってニッコリ微笑んだ。
「ホント…森下さん僕の事知らなかったんだね。」
そう言って平良君は苦笑する。
「ごめんね、人の名前覚えるの苦手なの。」
…正直平良君みたいなタイプは苦手。
何考えてるか分かんないから。
だから無表情のまま返答する。
平良君は相変わらずニコニコしてるけど。
「で…用件は?」
早くしないと購買のメロンパンが売り切れる。
「…メアド教えてくれる?」
「………へ」
メアド?
「良いけど…」
私がケータイを出すと、同じくケータイを出した平良君が歩み寄ってきた。
そして赤外線通信の為にケータイを近付ける。
私はちらっと平良君の顔を見た。
……まつげ長ー
…鼻高ー
髪キレー…肌キレー…
羨まし―――……
好みじゃ無いけど。
「…通信上手くいかないね…」
平良君の声に、私はサッと視線をケータイに戻した
ら……
平良君の手が私のケータイに触れた。
「…繋がりにくいね。」
その時平良君の手が私の手に触れた。