1%もアルモノ



ところで、周りは誰だろう。
私は周りを見回した。

前は学年一の長身男子。
後ろは普通に仲は良いけど、あまり話さない可愛い子。
右隣りは友達の好きな人。
左は…まだ席に着いていない。

…せめて女子であります様に。


席替えなんてどうでも良かったのに、周りが理想から遠過ぎるせいか、そんなことを思ってしまう。


「うわ、由岐森下の隣!!」

…由岐?

「殺されんなよー、森下怖いから。」

どんな扱い?

ていうか、由岐って…


左の席に着いた、ダルそうな顔をしたそいつを見て、思い出す。


あぁ、大槻 由岐か…。


「…何でお前が隣なんだよ。」

大槻は眉間に皺を寄せて、私に喧嘩口調で言ってきた。

「そのセリフ、そのままソックリお返しするわ。」

「じゃあそれをまた返す。」

「うざっ!」

怒鳴る私を大槻は鼻で笑い、先生の視線に気付いたのか前を向いた。



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