1%もアルモノ

まぁこの子らの意味不明な笑みは放っておこう…。

そしてやな奴(大槻)は忘れよう。

「おい、狸。ここの訳だけど…」

………無理だった。
うちの学校は進学校なので、1日に英語が二時間ある。
忘れるヒマを与えてくれない…。

私は頭を抱えて唸った。

「おーい、たぬきー。転がすぞー。」
「うっさい!!何よ、狸って!!」
「…昨日車に轢かれて死んでた狸がお前にソックリだったから。」


……………。

私は殺意を覚えたね。


「去ね!!」

私はシャーペンで大槻の手の甲を刺した。

「いって!!」

教室前方に響いた大槻の声。
嫌な予感……

最悪な事に、大槻の声に先生が反応した。


「大槻君?森下さん?この問題、解いてみなさい?」

「先生、悪いのはこいつです。僕は真面目に授業受けてました。」

僕とか言うなよ気持ち悪い。

てか指差すな。

「じゃあ、森下さん。この問題、前に出て解いて。」

先生もあっさり信じるなよ。

そう思いながらも、とりあえず私は問題に目を通した。


………困ったな…。



英語って、予習してないと全然分かんない。

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