スモモキブン!!
姉のある日
壱
「いってきます」
いつものように、玄関先から
姉の声が聞こえてくる。
「いってらっしゃい」
いつものように、父と母が
答えている。
「李~!!いつまで寝てるの?遅刻するわよ!!」
いつものように、階段の下から
母の怒鳴り声が響いてくる。
「はぁ~い~・・・」
そして、いつものように、
声にもならないような声で私はベッドの上から返事をする。
うっすら目を開けてみる。
けど眠い・・・
瞼の重みに耐え切れず、すぐにまた
目を閉じた。
二度寝って何でこんなに気持ちいいんだろ・・・
な~んて考えてる間にも私は、再び夢の中へ引き摺りこまれた。
しばらく経って、耳元で大きな声が響いた。
「樹本 李(きもと すもも)起きなさーいっ!!!」
びっくりした私は、ベッドの上にも関わらず
勢いよく飛び跳ねた。
そして、案の定勢いよく床にしりもちをついた。
「っててててぇ~・・・」
強く打ったお尻を右手で摩りながら
私は半泣きで目の吊り上った母を見上げる。
「一体いつまでこんな子供みたいな事繰り返すのよ!
アンタも早く杏(あんず)みたいに一人で起きれるように
なってちょうだい!」
杏とは、私のお姉ちゃんの事だ。
私がこの世で一番嫌いなのは、何でもかんでも
お姉ちゃんと比べられる事だった。
私は、寝癖でぼさぼさになった明るい茶髪を
更に両手でくしゃくしゃにして、
お尻をぷりぷりさせて部屋を出て行く母の背中を睨んだ。
「私だって一人で起きれるもんっ!」
朝食を済ませ、ギリギリ遅刻せずには済みそうだ。
私は、何度も鏡を見直して軽く笑顔を見せたりした。
「いってきま~す!!」
余裕の笑みを浮かべて、玄関までスキップする私の後ろで
母が深くため息をついたのが聞こえる。
「気をつけていくのよ~!」
「わかってる~!」
黒い革のカバンを片手に私は、靴を履き終えると、
くるっと母に完璧な化粧だけを見せてドアを開けた。
いつものように、玄関先から
姉の声が聞こえてくる。
「いってらっしゃい」
いつものように、父と母が
答えている。
「李~!!いつまで寝てるの?遅刻するわよ!!」
いつものように、階段の下から
母の怒鳴り声が響いてくる。
「はぁ~い~・・・」
そして、いつものように、
声にもならないような声で私はベッドの上から返事をする。
うっすら目を開けてみる。
けど眠い・・・
瞼の重みに耐え切れず、すぐにまた
目を閉じた。
二度寝って何でこんなに気持ちいいんだろ・・・
な~んて考えてる間にも私は、再び夢の中へ引き摺りこまれた。
しばらく経って、耳元で大きな声が響いた。
「樹本 李(きもと すもも)起きなさーいっ!!!」
びっくりした私は、ベッドの上にも関わらず
勢いよく飛び跳ねた。
そして、案の定勢いよく床にしりもちをついた。
「っててててぇ~・・・」
強く打ったお尻を右手で摩りながら
私は半泣きで目の吊り上った母を見上げる。
「一体いつまでこんな子供みたいな事繰り返すのよ!
アンタも早く杏(あんず)みたいに一人で起きれるように
なってちょうだい!」
杏とは、私のお姉ちゃんの事だ。
私がこの世で一番嫌いなのは、何でもかんでも
お姉ちゃんと比べられる事だった。
私は、寝癖でぼさぼさになった明るい茶髪を
更に両手でくしゃくしゃにして、
お尻をぷりぷりさせて部屋を出て行く母の背中を睨んだ。
「私だって一人で起きれるもんっ!」
朝食を済ませ、ギリギリ遅刻せずには済みそうだ。
私は、何度も鏡を見直して軽く笑顔を見せたりした。
「いってきま~す!!」
余裕の笑みを浮かべて、玄関までスキップする私の後ろで
母が深くため息をついたのが聞こえる。
「気をつけていくのよ~!」
「わかってる~!」
黒い革のカバンを片手に私は、靴を履き終えると、
くるっと母に完璧な化粧だけを見せてドアを開けた。