猟犬に愛された姫~ドリームライブ~
大将side



俺が竜士と言い合っていると
稚菜がいきなりキーボードを弾き始め
歌い出した。



その歌詞はとても切なくて
とても暖かった。



「この曲…」



まりさんは何か思い出したように驚いていた。



「初めて聞いた曲だよね?」



「うん…」



真未さんと縁さんまで聞き入っていた。




「この曲…ボクシングや仕事中の大将くんを
見ながら作ってた歌詞と曲だよ。」




俺はまりさんの言葉に胸が苦しくなった。



「これ…大将を想って?」



ことりさんは泣きそうな顔をしていた。



俺は稚菜を抱きしめたいと思った。
でも俺に稚菜を抱きしめる資格なんてない。




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