猟犬に愛された姫~ドリームライブ~
『あの!あたし達……』



「危ない!」



……え?



その声に振り向くと
リングから男の人が勢い余って
あたしの方に落ちてきた。




「稚菜!」



-ドスン!



まりの声と同時にあたしの体は
勢いよく倒れた。



……あれ?
あたし潰された感じがない。



「バカヤローちゃんとコントロールしろ!
稚菜!大丈夫か!?」




聞き覚えのある声に顔を上げると
そこには落ちてきた男を殴り飛ばした





『大将?』





「ちょっと膝から血がでてるな。」





大将はあたしを抱き上げると
ジムの端っこに行き救急箱を持ってくると
消毒すると絆創膏を貼ってくれた。



『ありがとう。』



「別に。」



「大丈夫?あたし真未から連絡きて
事情話したらあたしはことりちゃんが
迎えに来るけど稚菜はしばらく来週のライブまで
歌詞作りと体力作りしてこいだって。」




あたしはまりにそう言われて
真未があたしが大将と仲直りできるように
気を使ってくれたんだとわかった。



「もしかして稚菜さんがダンベルとプロテインの子?」



まりを見送るとさっき入り口で会った
チャラマッチョが声をかけてきた。










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