桜の下で
俺はその楽譜を立てて
鍵盤に指を滑らせていく。

懐かしい音が細かく流れていく。

ピアノの音一つ一つが重なって
曲を紡いでいっている。

最後まで弾き終わるとまだ時間は
残っていたがこれ以上やると時間を
忘れそうだったからやめた。

なにもせずに30分待ち、時間通りの
バスに乗った。

やっぱり生徒が多い。

バスの乗っている人の半分以上が
桜木高校の生徒だった。

俺は座ったら寝そうだったから
端の方に立っていた。

菜穂はバス登校じゃないのか。

もう高校目の前だしな。

バスを降りて校門へ向かう。

もう生徒や生徒の保護者等が沢山
待っていた。

すると一樹から声をかけられる。

「直也~。おはよ。」

「おはよ。」

いつもどおり適当に挨拶を返す。

「相変わらず素っ気ないな…
挨拶ぐらいちゃんとしろよな」

「メンドクサイ。ヤダ。」

「カタコトで言うな。せめて会話位は
しろよな…。」

「最低限の会話はしてる。」

そんな話をしながら体育館へ向かう。

体育館は紅白幕がはられてて
おめでとうと薄い紙で作られた花で
書かれている。

体育館で菜穂を探すも見つからず。
ってか保護者おおいわ

後は校長先生や担任等の話があり
入学式は終了。

クラス分けのかみをもらいクラス表を確認。

「直也。何組だった?」

「俺はA。」

「残念…俺Bだ…」

「結構助かった。」

そんなのはどうでもいい。

菜穂は何組だろ?

えっと天宮…天宮…あった!

お、俺と一緒か。
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