桜の下で
そして玄関に向かうと父さんの執事的な存在の七瀬さんが待っていた。

「七瀬さん。久しぶり。」

「直也様。何かありましたか?」

「直也様はやめてほしいって…とりあえず。また父さんの言葉の意味が分からずでね。説明がほしいんだ。」

「八月にコンサートを入れることでしょうか?」

「そう。毎回ごめん。父さんのせいで。」

父さんがちゃんと説明してくれればここまで疑問がでてくることはないだろう。

「理由はお聞きしましたか?話していないと思いますが…」

「うん。いつもどおりすっぽ抜けてる。説明お願い。」

「拓磨様から聞く限りでは年に2回はコンサートを開きたいそうなのです。そして冬にコンサートを開く予定なのでしょう?ならばその半年違いにコンサートを開こうとしている。そういう感じでしょう。」

凄く説明が上手だな。やっぱり父さんとは大違い。

「いつもありがとう。理由が分かるだけで納得がいくから凄い助かる。」

「はい。もしまた何かありましたらご連絡を。チケットは何枚か取っとく必要はありますでしょうか。」

菜穂達誘うかな。あと環。ついでに一樹。

冬のコンサートに予定してた事を…夏に変更しようかな。

「じゃあ3枚取っといて。」

「では私はこれで…」

「待って七瀬さん。」

俺は七瀬さんを止める。

「なんでしょう。」

「実は冬のコンサートの時にやろうとしてた事を今回のコンサートに早めようと思うんだ。それで七瀬さんにも協力してもらおうかと…」

「どんな事でしょう。」

「えっと冬のコンサートの時に…」



「わかりましたでは拓磨様にも伝えておきます。」

「いつもありがとう。」

はぁー…やっと終わった。
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