桜の下で
これで寝ろと言うなら絶対無理と答えるだろう。

今は12時ちょっとすぎた頃。

もう夜中…でもだいぶ眠気が襲ってきた。

明日は日曜だからいいけど学校だったら俺保健室にひきこもらせてもらうわ…

結局俺が寝たのは1時頃…

うーん…なんか胸元がくすぐったい…

見てみると寝てる菜穂が擦り寄ってきていた…

本当に殺す気だよな?

寝てるけど殺す気だよな?

とりあえず離しておかないと…菜穂が起きた時にびっくりするから…自分でやったとはいえ…

今の時間は…えっとケータイ…うわっなんか沢山来てる。

30件来てるよ…半分は環の一樹。

心配してるんだよな。二人共。

あとでメッセージ返しておかないと。

後の半分は…マネージャーからだ…

夏の音楽祭か…参加したくない。

マネージャーには『おはようございます。最近ピアノ練習がはかどっていないので夏の音楽祭は不参加にさせてください。』と送った。

そう言えば時間。

今は…9時ですか…

菜穂…よっぽど疲れたんだな…

あと環達にもメッセージ返さないと。

ええと…『二人が帰った2時間後に目を覚まして夕飯もちゃんと食べられたので大丈夫だと思います。』

これでいいかな?

「うぅ…ん…?」

あ、起きた。

「おはよう。菜穂」

やっぱり菜穂は顔を真っ赤に染めて布団の中に潜り込んでしまった。

「大丈夫か?体調悪くないか?」

「う...うん…」

「よかった。安心した。」

俺の心臓はもちそうにないけどな…
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