桜の下で

守れなかった

〜直也side〜

放課後に少しだけ吹奏楽の手伝いにいっていた。

絶対入らないって言ったのに。

もう時間は遅い。そこまででもないけど。

下校時刻から三十分過ぎただけだし。

ヤバイ。バック教室じゃん。こんなんなら部活に持っていけばよかった。楽譜入ってたし。

教室に向かうと学級委員以外は皆帰っていた。

そういえば今日月の最終金曜日か。

そう思ってバックを取ろうとするとふと菜穂のバックが目に入った。

アイツ部活とか委員会入ってたか？

学級委員何か知ってるかな。

｢なぁ。菜穂ってまだ帰ってなかったのか？｣

｢菜穂ちゃん？菜穂ちゃんは真帆達に呼び出しされてたけど？｣

え？真帆達に？

…嫌な予感がする。

｢ありがと。｣

急いで学校中を探し回る。

校舎裏。体育倉庫。使われていない教室。

屋上についた途端に俺は目を疑った。

真帆と二人の女子に囲まれて殴られたり蹴られたりされていた。

真帆の手には彫刻刀。まさか？！

俺はかこを思い出して大声で叫ぶ。