桜の下で
あ、期末は退院した4日後で結果は散々。

まぁ…仕方ない…のかな。

遅れを早く取り戻さなくちゃね。

あとは…今直也の家で音合わせ中。

最初の音はあってきたのだが中盤になるとミスが多くやはり苦戦。

「菜穂。前より上手くなった。」

そういってよく慰めてくれる。

「ありがとう。もっと頑張る!」

「休憩しようか。もう1時間位続けてやってたから。」

「そうだね。でも…ヴァイオリンってやっぱり楽しい。」

そう言うと直也は微笑んで「よかった。」と言ってくれた。

「夏休みどこか行きたいとこある?」

突然直也に聞かれたのはそんな質問。

「どうしたの?突然。」

「夏休みだからどこか友達連れていきたかった。」

可愛らしい理由だな。なんか頭撫でたくなる。…届かないけど。

「海行ってみたいかも!環と一樹君連れてっ!」

「そっか。じゃあ海水浴行こ。」

「あ…でもこの辺は海水浴場無いよね…」

「大丈夫。俺が連れてってあげる。」

「本当に?」

「うん。」

「楽しみにしとく!」
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