お兄ちゃんの友達[完]
「カナコ、飲みすぎるなよ」

お酒があまり強くない私は、缶ビールを飲み干すので精いっぱい。

でも、嫌いじゃないの。

「明日は休み?」

「明日は午後からバイトなの。明後日で最後だよ」

ソファから滑るようにして床に座りなおし、コンビニで買ってきたスナック菓子を口に入れる。

「何のバイトしてるの?」

「ケーキ屋さんで、販売なんです。駅前にあるんですよ」

テーブルをはさんで私の向かい側に座っている河合さん。

相変わらず飲むペースが速いようで、私が用意したチーズをつまみながら2缶目も空になりそうだった。

「いいね、ケーキ。おれ甘いもの大好きなんだよね」

突然立ち上がったおにいちゃんが、着替えてくるからとリビングを出て階段を上がっていってしまった。
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