お兄ちゃんの友達[完]
え、うそ、河合さんと二人きり!?

変に意識してしまって思わず俯いてしまう。

どうしよう、何か話した方がいいよね?でも、何も思い浮かばない。

「カナコちゃんさ、彼氏、居るの?」

今までテーブルの反対側にいた河合さんが、いつの間にか隣に来ているし!

にこにこしていた河合さんから急にまじめな声で質問されて、思わず顔をあげてしまった。

目が合ってしまう。

「え、あ、いえ、いない、です・・・」

今まで家へ来た事のあるおにいちゃんのお友達には、こんな気持ちになったことなかったのに。

どうしたらいいのかわからずに、赤くなってしまった頬を両手で隠した。

「あ、ごめん、隣じゃ緊張しちゃったね」

ぽりぽりと頭をかきながら、また向かい側へ戻っていく。

なに、どうして隣に来たの?

顔をあげることができなくなってしまい、河合さんの視線を感じながらもどうすることもできなくなってしまった。
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