お兄ちゃんの友達[完]
「きゃぁっ」

一口くらいしか飲んでいたかったので、私の周りは水浸し!!!

「なにしてんの!タオル持ってくるから!」

おにいちゃんがタオルを持ってきてくれて激しく濡れてしまったジャージを拭いた。

「カナコ、冷たくない?お風呂入る?」

「大丈夫、でも着替えてくるね、ごめんね」

濡れてしまった床と机を拭いているおにいちゃんに謝り、階段を上って部屋へ戻ってきた。

「恋人・・・かぁ」

彼氏いない歴20年の私にとっておにいちゃんはまさに恋人のような存在でもあった。

おにいちゃんも、彼女がいるのかどうかはわからないけど家に連れてきたことはない。

とにかく、私の中で男の人はおにいちゃんだけが特別。

あまり家にいなかったお父さんよりもいつも私の見方でいてくれるおにいちゃん。
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