お兄ちゃんの友達[完]
眼鏡の奥にある、細くなった眼は

私の眼を見つめたまま、そらされることがない。

どうしよう、また顔が熱くなってきた。

「コウスケ、余計なこと言わなくていいよ」

不機嫌そうなおにいちゃんの言葉に横にいたおにいちゃんに視線を移すと

おにいちゃんは河合さんを睨みつけていた。

おにいちゃんが持てるのは、知っていた。

よく遊びに来ていた大学の時の友達も同じようなことを言っていたから。

でも、興味がないんだ、とおにいちゃんはいつも女の人を断っていたらしい。

あまり本気にしていなかったけど河合さんの言うことが本当ならどうしておにいちゃんは彼女を作らないんだろうか?

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