お兄ちゃんの友達[完]
はーっと息を吐くと、まだまだ白くなる。

昼間はぽかぽか陽気な日が多くなってきた3月だけど、夜はまだまだ寒い日も多い。

私、浅野カナコ。20歳。

短大を先日卒業したばかりで、ただいま最後の春休みを満喫中。

4月からはOLになる予定なんだ。

おにいちゃんの車のエンジンをかけると、家から15分ほどの駅まで向かった。

私と年の離れたおにいちゃんである浅野コウヘイは、27歳の会社員。

システムエンジニアで、帰宅時間が深夜なんて言うのはよくあること。

若いのにあれこれ任される立場でもあるようで、なだかいつも忙しそうにしている。

金曜日の今日も残業だったようで、こうしてタクシーがつかまらないからと迎えに行くことがよくあった。



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