お兄ちゃんの友達[完]
私とおにいちゃんは、私が高校生になったときから二人で生活をしている。

転勤の多かった父は、私が高校へ入学する直前にアメリカへの転勤が決まったんだ。

今まではずっと単身赴任だったけど、今度は一緒に付いていくという母。

当然というように私も一緒にアメリカへいくという話があったけど、大学を卒業するおにいちゃんが、日本の高校へ通いたいならと私の面倒を見ることを快く引き受けてくれたのだ。

昔から7つ離れた私を、妹というよりもわが子のようにかわいがってくれたおにいちゃん。

私から見たらいつも大人で、何でも知っている、とても頼りになるおにいちゃん。

こうして時々、家に友達を連れてくることがあったけど、おにいちゃんの友達って皆いい人ばかりで、私はいやだと思ったことがなかった。

まるで自分の妹のようにやさしくしてくれる人ばかりだったし、子供だった私は気を使わなくてもよかったから。

だから、今日も河合さんが突然やってきてもとくに気にもしていなかった。
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