お兄ちゃんの友達[完]
「あまり遅くなるとコウヘイがすねるから、今日はおとなしく帰ろう」

信号で止まるたびに手を握ってくれる河合さん。

車の中でも、楽しい話は尽きなくて、あっという間に家に着いてしまった。

家に入るとひとりでコーヒーを飲んでいるおにいちゃん。

私と河合さんのつながれた手を見て、少し悲しそうな顔をしたけど、「おめでとう」と笑ってくれた。

それから3人でコーヒーを飲んで、夜遅くまで話は尽きなかった。

私は来週から社会人の仲間入りをする。

まだ研修期間だけど、それでも今までの学生でもアルバイトでもない、社会人。

私にできるかな?不安は大きいけど、でも大丈夫。

私には、おにいちゃんがいるもの。

そして、恋人も、いる。

とても幸せな時間。

きっと、いつまでも続くから。

二人とも、大好き。



―終―
< 61 / 62 >

この作品をシェア

pagetop