お兄ちゃんの友達[完]
いつもこうして私がつらい思いをしないよしてくれるおにいちゃん。

とっても愛されているのはわかるけど、おかげで20歳になった現在も彼氏ができたことのない私。

好きな人ができても、おにいちゃんの許しを得られるような人には巡り合うことができずにいた。

それでも、おにいちゃんを父親のように慕っている私には、おにいちゃんが反対する人とのお付き合いなんて考えることができなくて。

おにいちゃんを信じていれば大丈夫だと思っている私を見て、周りの友達にも変だと言われる始末。

シスコンだのブラコンだの、よくからかわれたものだった。

「出た出た、お前が妹のこと可愛がっているって、社内でも有名だったけど本当だったんだな」

でも、こんなに可愛かったら仕方ないな~。目を細めて私を見ながら笑っている河合さん。

眼鏡からのその視線に、またもやドキドキしてしまっている私は、やはりおかしいんじゃないだろうか。

今まで遊びに来た事のあるおにいちゃんのお友達とは、何かが違う。

何が違うかはわからないけど・・・でも、ドキドキが止まらないの。

手に持ったままだった缶ビールを開けて、一口飲んだ。
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