太陽のさとうさん

「それじゃあ、完成したらまた連絡しますね!」


そう言うと、大きく手を振って駅の方へと消えていった。



少し肌寒い3月初め。


高校二年目がもうすぐ終わる私は、


趣味で、SNSに小説のプロローグもどきのようなものを載せていた。


けれども、なんと言っても私はそこまでしか書けない。


小説を書こう!と意気込んでも、どうしても手が止まってしまって書けないのだ。


頭の中ではいつも言葉が渦を巻いているのに…



そこから私は、物語ではなく、


相手が想像で物語を作れるようなプロローグを書くようになった。


結果として、先ほどの女性、ネット小説家の福富さんと出会い、


私がお話の入口を作り、福富さんが小説として膨らます。


こんな不思議な関係が出来上がったのだ。



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