この夏が終わっても
「その様子じゃ、読んでないな?
…ま、いいや!行くぞッ…!
早く行かなきゃ始まっちまうッ…!!」
「!っ…はぁ?お、おいっ……!!」
智樹は俺の手首を掴むと、強引に引っ張って走り始めた。
「っ…おい!なんだよっ…。
始まるって、なんの話……。」
「いいからッ…!黙って付いてこいッ!!
お前がいなきゃ始まらないんだよッ…!!」
「ッ……。」
よく分からないが、いつも場の盛り上げ役でおどけている智樹があまりにも真剣で…。
俺はその迫力に負けると、ただ手を引かれるままに一緒に走っていた。
……
………。