この夏が終わっても
【夏祭り会場/催しステージ】
「すいませ〜ん!ちょっと通して下さ〜い!」
賑わう夏祭り会場の中央にある、催しステージの付近。
智樹は人混みをかき分けながら、ステージのなるべく前に俺を連れて行こうとする。
「あ!智樹〜!こっちこっち〜!」
暫く進むと未来の声が聞こえて、智樹は返事をするとその場所まで行って俺の手を離した。
その場には、みんなが居た。
あの小旅行のメンバーが、俺を見ていた。
涼も、居る。
気不味くて目を逸らす俺に、涼が隣に来ると言った。
「今日、このステージで里奈ちゃんが歌うんだ。」
「!……え?」
信じられない言葉に、耳を疑う。
里奈が、歌う?
あの引っ込み思案で、プレッシャーに弱くて…。
俺とのカラオケでさえ、恥ずかしがって歌わなかったあの里奈が…?
俺は、周りをもう一度見渡した。
すごい、人だ。
自分が高校の文化祭のステージで歌った観客の人数なんかと比べ物にならない。
「すいませ〜ん!ちょっと通して下さ〜い!」
賑わう夏祭り会場の中央にある、催しステージの付近。
智樹は人混みをかき分けながら、ステージのなるべく前に俺を連れて行こうとする。
「あ!智樹〜!こっちこっち〜!」
暫く進むと未来の声が聞こえて、智樹は返事をするとその場所まで行って俺の手を離した。
その場には、みんなが居た。
あの小旅行のメンバーが、俺を見ていた。
涼も、居る。
気不味くて目を逸らす俺に、涼が隣に来ると言った。
「今日、このステージで里奈ちゃんが歌うんだ。」
「!……え?」
信じられない言葉に、耳を疑う。
里奈が、歌う?
あの引っ込み思案で、プレッシャーに弱くて…。
俺とのカラオケでさえ、恥ずかしがって歌わなかったあの里奈が…?
俺は、周りをもう一度見渡した。
すごい、人だ。
自分が高校の文化祭のステージで歌った観客の人数なんかと比べ物にならない。